「断られたくないから」と問診票でタトゥーやアートメイクの存在を隠して検査に臨む行為は、極めて危険な結果を招きます。隠匿によって引き起こされる被害は、単なる皮膚の火傷にとどまりません。
第一の盲点は、金属顔料による「磁化率アーチファクト(画像の歪みとブラックアウト)」です。金属が発する局所磁場の乱れにより、撮影画像上で患部周辺が大きく歪み、真っ黒な影となって欠損します。特に頭部MRIにおいてアイラインのアートメイクを隠していた場合、眼窩内や前頭葉底部などの重要部位が写らなくなり、微小脳梗塞や動脈瘤の見落としといった致命的な診断ミスに繋がります。
第二に、意識低下や鎮静下で行われる救急撮影時の危険性です。本人が熱さや痛みを訴えられない状態で高出力スキャンが続行された場合、局所温度が43℃を超えて細胞組織の凝固壊死を引き起こし、重症熱傷に至るリスクが跳ね上がります。問診票への正確な記載は、受診者自身の生命と診断精度を守るための防壁です。