切り花が急速にしおれる主因は、水分を吸い上げる通路である導管の閉塞(キャビテーションおよび細菌性閉塞)にあります。根から切り離された生花は自活能力が制限され、花瓶の水の中で急激に増殖する微生物の脅威に晒されます。水中に細菌が繁殖すると、切り口にバイオフィルム(ぬめり)が形成され、水の吸い上げが完全に遮断されてしまうのです。
さらに、葉からの水分蒸散スピードが給水スピードを上回る「脱水状態」や、開花に必要なエネルギー源(炭水化物)の枯渇、花自らが分泌するエチレンガスによる老化促進が複合的に絡み合います。つまり、生花を長く楽しむためには「水の吸い上げを維持する」「雑菌の繁殖を抑える」「エネルギーを補給する」という3大要素を同時に満たす必要があります。