食肉の分類において、「もつ」と「ホルモン」の最も根本的な違いは言葉がカバーする範囲の広さと食文化の文脈にあります。
農林水産省や日本食肉格付協会の流通定義に基づくと、内臓肉は「枝肉(骨付き肉)」から分離された可食内臓全般を指します。この中で「もつ」と「ホルモン」は以下のように棲み分けられています。
「もつ」は、牛や豚だけでなく、鶏(砂肝・レバー・ハツ)や羊など食用とされる鳥獣の内臓全般を指す総称です。一方の「ホルモン」は、主に牛や豚の消化器官(小腸・大腸・胃など)を中心とした狭義の内臓肉、あるいは焼肉・鉄板焼きのメニュー名を指す傾向が色濃く残っています。
また、東西の地域文化による影響も無視できません。関東をはじめとする東日本では、古くから煮込み文化(もつ煮)を中心に「もつ」と呼ぶ傾向が強く、関西を中心とする西日本では、在日コリアンカルチャーと結びついた直火焼き文化から「ホルモン」と呼ぶ習慣が根付いてきました。