メディア露出が限られていることから「最近の姿が見えない」と案じる声もありますが、現場における豊原功補の創作活動はむしろ円熟味を増しています。本人の公式X(旧Twitter)などでは、猛暑のなか映画の撮影現場で「本日ひと足先にオールアップ。本隊はまだ日程が残ってますが、尋常ではない暑さなので気をつけて最後まで無事に撮影できますよう」と仲間を気遣う肉声が綴られるなど、プレイヤーとして精力的にカメラの前に立ち続けている姿が確認できます。
特筆すべきは、映画製作と舞台演出における確固たるポジションの確立です。2020年公開の映画『ソワレ』(村上虹郎・芋生悠W主演)では、後述する制作ユニットを通じてアソシエイトプロデューサーを務め、国内外の映画祭で高い評価を獲得しました。さらに手塚眞監督の映画『ばるぼら』への出演やインディペンデント作品への関与、新国立劇場や下北沢本多劇場を中心とした骨太な舞台作品への登壇など、表現の場はむしろ純度を増しています。
企画・脚本・演出・主演を自ら務めた三遊亭圓朝の人情噺を原案とする舞台『名人長二』に見られるように、彼は単に演じるだけの枠組みにとどまらず、物語の骨格そのものを設計するクリエイターへと完全に脱皮しています。