メソッド演技とは?役柄と同化する危険性と名優の狂気・真相を徹底解説

メソッド演技とは?役柄と同化する危険性と名優の狂気・真相を徹底解説

メソッド演技とは?役柄と同化する危険性と名優の狂気・真相を徹底解説について知っておくべき ポイントを厳選して解説いたします。

欧米発祥のメソッド演技は、日本の映画界や俳優たちにどのような影響を与えてきたのでしょうか。日本の演劇史においては、新劇運動や文学座、劇団俳優座などを通じてスタニスラフスキー・システムが導入された歴史があります。

日本における伝説的な役作りの筆頭として挙げられるのが三國連太郎です。映画『異母兄弟』(1957年)で老人役を演じるにあたり、役作りのために自身の健康な前歯を10本も抜いたエピソードは映画史の語り草となっています。また、松田優作が『野獣死すべし』(1980年)で見せた過酷な減量と奥歯を抜いて頬をこけさせた執念、役所広司の役柄の呼吸まで完全に自らのものにする緻密な内面造形、近年の鈴木亮平が見せる徹底した肉体改造と人物研究など、ストイックに役へ没入する俳優は枚挙にいとまがありません。

ただし、日本映画の現場構造とメソッド演技には特有の摩擦も存在します。日本独特の撮影スケジュール(短期間での過密日程)や、共感・調和を重んじる現場の空気感の中では、オフカメラ時も役柄を維持して周囲を威圧するような振る舞いは許容されにくい環境にあります。多くの日本人実力派俳優は、徹底した事前準備と深い内面理解を行いながらも、本番の合間には穏やかに周囲と協調する「高いオン・オフの切り替え能力」を身につけているケースが一般的です。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。