警察庁が公表する交通事故統計において、追突事故は常に発生件数の上位を占め続ける。その主たる要因は、ドライバーの認識不足による車間距離の不保持だ。道路交通法第26条は、同一方向に進行している後続車に対し、前車が急停止したときでも追突を回避できる距離を保つことを厳格に義務付けている。
高速道路における「時速100キロ=車間100メートル」という指針は、決して大げさな安全マージンではない。時速100キロ走行時の空走距離は約28メートル、乾いた路面での制動距離は約56メートルで、停止距離の合計は約84メートルに達する。前車が事故や落下物によって一瞬で急停止した場合、車間80メートルですら回避の余地は紙一重だ。
雨天時はこの停止距離が100メートルを優に超える。高速道路での車間距離不保持違反の取り締まりには自動速度測定機やパトカーの車載カメラがフル活用されているが、違反切符の痛さ以上に、車間を詰める行為が自らの生存領域を切り売りしている現実に気づかねばならない。