「木質化しても自然な姿なら、そのまま放置しても良いのでは」と考える栽培者も少なくありません。しかし、日本の高温多湿な気候下で無剪定のまま放置することは、植物にとって極めて過酷な環境を作り出します。
木質化が進んだ株を剪定せずに放置すると、株元の通気性が著しく悪化します。梅雨から夏場にかけて内側に湿気がこもり、下葉の黄変やカビ菌による立ち枯れ病、さらにはハダニの温床となります。また、先端ばかりに養分が偏る「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」によって株元がスカスカになり、頭でっかちになった枝が自身の重みや強風で裂けてしまうリスクも跳ね上がります。
確実な木質化復活方法の鍵は、植物ホルモン(オーキシンとサイトカイニン)のバランス制御にあります。枝先を適切に切り戻すことで頂芽優勢を人為的に打破し、株元付近に残されたわずかな節や隠れた成長点へ養分を送り込むことが可能になります。これにより、古い幹の周辺から力強い新梢(シュート)を噴き出させ、コンパクトで美しいドーム状の樹形へと若返らせることができます。