会社法356条の競業・利益相反取引とは?無効や賠償リスクを防ぐ実務解説

会社法356条の競業・利益相反取引とは?無効や賠償リスクを防ぐ実務解説

会社法356条の競業・利益相反取引とは?無効や賠償リスクを防ぐ実務解説についての最新情報を徹底解説します。

会社法356条の解釈については、過去に数多くの重要判例が積み重ねられてきました。裁判所がどのような視点で取引の適法性を審査しているかを知ることは、リスク管理の観点から非常に有益です。

例えば、取締役が競合する別会社を設立して営業を奪った事案(最高裁昭和48年11月16日判決など)では、退任直前の準備行為であっても、会社の取引先を奪取する実質的な競業行為とみなされ、多額の損害賠償が命じられています。「退任後なら自由」と安易に考え、在任中に顧客の引き継ぎや引き抜きを進める行為は明らかな義務違反となります。

また、会社の預金を担保に取締役個人の借入れを行った間接取引の事案(最高裁昭和43年12月25日判決など)では、金融機関側の善意・悪意が激しく争われました。金融機関が「取締役会の承認がないこと」を知り得た状況であれば、会社側は担保提供の無効を主張して預金を取り戻すことができます。この判例は、取引の相手方となる金融機関や取引先にとっても、取締役会議事録の確認が必須であることを示す警鐘となっています。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。