とりわけ栃木県(下野国)は、全国でも類を見ないほど数多くの星宮神社が密集する地として知られる。一説には県内に100社以上が存在したとされ、地域の生活様式や修験者の足跡と複雑に絡み合っている。
例えば、下野市の星宮神社では「あすなろ抱き」や黄金の飛竜にまつわる伝承が大切に受け継がれている。一方で、岐阜県や茨城県に鎮座する同名の神社では、また異なる独自の神話や地域行事が形作られてきた。一括りに「星宮」と言っても、一歩足を踏み入れれば、その土地の風土と人間が紡ぎ出した固有の物語が待っている。この多様性こそが、探訪者を惹きつけて止まない最大の要因だ。