右京にとって紅茶を淹れる時間は、単なる水分補給でも休憩でもない。思考を整理し、頭の中のパズルを組み替えるための神聖な儀式だ。
相棒である歴代の刑事たち——亀山薫、神戸尊、甲斐享、冠城亘、そして現在の相棒とのやり取りの中でも、紅茶は重要なクッションの役割を果たしてきた。興奮する相棒を静かに制しながら、マイペースにポットを傾ける右京。あの独特の間(ま)が、ドラマに絶妙なリズムを生み出している。
殺伐とした殺人現場の捜査から戻り、殺風景な特命係の部屋で淹れられる一杯の紅茶。そのコントラストこそが、相棒という作品が持つ唯一無二の魅力なのだ。