過去作『カンザキ』で描かれた暴力性と人間ドラマの交錯も、彼の評価を不動のものにした重要作だ。日常の些細な亀裂がやがて修復不能な破滅へと転がり落ちていく様は、息をのむほどの迫力で観劇者の心をえぐった。この圧倒的な衝撃は、劇場に足を運べなかった層の間でも大きな話題となった。
現在、これらの名作群は演劇動画配信サービス「観劇三昧」をはじめとするプラットフォームでも視聴が可能となっている。劇場空間での体験とはまた異なり、画面越しであっても台詞の鋭さと役者の狂気は一切損なわれない。全国の演劇ファンが自宅でその熱量に触れ、新たなファン層が急増している背景には、こうしたアーカイブ配信の充実がある。