月日は流れ、2026年。蜷川幸雄の没後10年という節目を迎え、追悼公演や関連企画が各地で開催されている。
いまや40代を迎え、日本エンタメ界の中核として君臨する小栗旬。近年、彼が舞台で見せる立ち振る舞いや、現場で見せる鋭い眼差しに「まるで蜷川さんを彷彿とさせる」と口にする関係者は少なくない。セリフ一つひとつのリアリティにこだわり、妥協を絶対に許さない姿勢。稽古場で演出家や共演者と対峙する際に見せる、あの独特の緊張感と熱量。
もちろん、時代は変わり、怒鳴り散らす指導法は過去のものとなった。しかし、「舞台上で命を削れ」という蜷川が遺した本質的な哲学は、小栗の身体を通り、今も確実に息づいている。