なぜ地方予選ではコールドがあり、本大会にはないのか。理由は明快だ。日程消化の都合と、甲子園という最高峰の舞台における「最後まで戦い抜く教育的価値」が重んじられてきたからである。
地方予選では、数百校が限られた球場と期間の中でトーナメントを消化しなければならない。連日連戦による投手の肩や肘の疲労、会場の確保枠を超えた大幅な日程遅延を防ぐため、点数差コールドは不可欠なシステムとして定着している。一方、甲子園本大会は全国から勝ち抜いてきた代表校のみが集う「晴れの舞台」だ。高野連(日本高等学校野球連盟)は「最後の1球まで勝負の行方は分からない」という競技性と、球児たちの思いを尊重する姿勢を長年貫いてきた。