ふくらはぎに突然生じる痛みを正しく見極めるには、まず痛みの性質と持続時間に注目する必要があります。医学的に「有痛性筋痙攣」と呼ばれるこむら返りは、自律神経や神経伝達の異常によって筋肉が過度かつ持続的に収縮し、自力で弛緩できなくなった状態を指します。一方の肉離れ(筋挫傷・筋断裂)は、筋肉が強制的に引き伸ばされながら収縮した際に、自らの筋力に耐えきれず筋線維や筋膜が部分断裂または完全断裂する急性外傷です。
特にスポーツ現場や階段の昇降時、下腿三頭筋の一部である腓腹筋(ひふくきん)の内側頭に強い外力が加わった際、「ブチッ」「ピキッ」という断裂音(ポップ音)や、後ろから誰かに蹴られたような衝撃を覚えた場合は、ほぼ確実に肉離れを起こしています。
見分けるための最大のチェックポイントは、「発症直後に歩行が可能かどうか」そして「ストレッチした際に激痛が増すかどうか」です。こむら返りであれば、爪先を手前に引いてふくらはぎを伸ばすと数分で緊張が解けて痛みが和らぎますが、肉離れを起こしている筋肉を無理に伸ばすと激痛が走り、断裂部分が広がってしまいます。