国内の一般的なドラッグストアや薬局をどれだけ探しても、一般向けに認可された「差し歯の接着剤」は棚に並んでいない。これは安全管理上の明確な理由によるものだ。医療用材料として厳密に管理されるべき歯科用セメントは、適切な防湿環境と専門技術がなければ機能しないからである。
一方、インターネット通販では海外製の「応急入れ歯・差し歯補修キット」が散見される。これらの中には一時的な仮止めを謳うパテ状の製品もあるが、使用には強い警戒が必要だ。
海外基準で作られた粗悪な成分がアレルギー反応を引き起こしたり、唾液で溶け出した成分が消化器系へ悪影響を及ぼしたりする懸念が消えない。自己責任という言葉で片付けるには、失う代償があまりにも大きすぎる。