「外はサクッ、中はとろ〜り」という理想の食感を実現する最大の壁は、揚げている最中の“破裂事故”だ。チーズ内部の水蒸気が膨張し、衣を突き破って油の中に溶け出してしまう現象である。世界最高峰の厨房を描くドキュメンタリー『シェフのテーブル』に出てくるような名料理人たちも、素材の水分と油温のバランスには細心の注意を払う。
失敗を完全に防ぐ秘訣は「徹底した事前冷凍」と「二度付けの衣」、そして「180度の高温短時間揚げ」にある。カットしたチーズを揚げる直前に30分ほど冷凍庫で冷やし、表面を締める。次に小麦粉、溶き卵、細目のパン粉をつけた後、もう一度卵とパン粉を重ねる「ダブルバッター製法」で隙間を完全に塞ぐのだ。180度に熱した油に投入し、衣がきつね色になるまでのわずか40〜50秒で引き上げる。余熱で中心部をとろけさせれば、油を汚すことなく完璧な仕上がりが手に入る。