全国各地の自治体データを検証すると、マイマイガの被害は毎年一定ではなく、突如として特定の年に爆発的な発生を見せます。この現象には森林生態系における「約10年周期の大発生サイクル」が関与しています。
森林総合研究所や各県林業試験場の調査研究によると、マイマイガの個体群密度は、天敵となる寄生蜂・寄生バエ、野鳥、および幼虫間で流行する「核多角体病ウイルス」の力学によって制御されています。低密度期が数年続くと天敵や病原体の密度も低下し、気象条件(春先の暖冬や少雨など)が重なった年に生存率が跳ね上がり、大発生へと突入します。
一度大発生が始まると、ピーク状態は通常2〜3年間継続します。その後、過密状態によって幼虫の間でウイルス感染爆発が起き、個体数が一気に激減して終息へと向かいます。「数年に一度、街中が毛虫で埋め尽くされる」という現象は、この生物学的フィードバックの波が可視化した結果に他なりません。