対馬の自然の中で音楽への情熱を募らせたMISIAは、中学進学前後に家族とともに福岡県福岡市へと拠点を移します。ここから本格的な音楽修行と、プロへの階段が始まりました。
進学先は、県内でも屈指の進学校として知られる福岡県立香住丘(かすみがおか)高等学校でした。英語教育に定評のある同校で学ぶ傍ら、彼女は福岡市内の音楽スクールに通い、当時としては先進的だった黒人ボーカリストに直接師事します。本場のゴスペルやソウルミュージックの発声、息遣い、グルーヴの神髄を徹底的に叩き込まれたのがこの高校時代でした。
高校卒業後は、九州のミッション系名門私立大学である西南学院大学へと進学します。キリスト教主義教育を掲げるキャンパスの空気感は、対馬の教会で歌っていた彼女の原体験とも重なるものがありました。大学在学中、地元・福岡のクラブシーンで歌唱力を磨いていた彼女のデモテープが音楽プロデューサーの耳に留まり、本格的なデビューが決定。音楽の道に生涯を捧げる覚悟を決めた彼女は、大学を中退して単身上京を果たしました。
1998年、20歳で放った『つつみ込むように…』の衝撃は、離島の自然、福岡のハイレベルな教育環境、そして本場のゴスペル指導という類いまれなピースが見事に融合して生まれた必然の結晶だったのです。