『35歳の高校生』において、新川優愛が演じた工藤美月(くどう みづき)は、国木田高校3年A組のヒエラルキー最上位に君臨する「一軍女子」の主要メンバーでした。他者を見下す冷ややかな視線、取り巻きを従えながら標的となった生徒を精神的に追い詰める陰湿な言葉遣い、そして自身の地位を守るためには平然と嘘を重ねる狡猾さ。清楚で明るい笑顔がトレードマークだった彼女のパブリックイメージを粉砕するほどの怪演は、放送当時のお茶の間に強烈な震撼をもたらしました。
ドラマ放送当時の新川優愛の実年齢は19歳。前年に高校を卒業したばかりのタイミングでありながら、教室特有の息苦しい空気感と残酷な力関係を熟知しているかのような生々しいリアリティを放っていました。当時のインタビューや制作発表の現場において、本人は「自分自身とは正反対の性格である美月を演じるにあたり、悪意をどこまで視線や声のトーンに込めるか毎日試行錯誤した」と吐露しています。カメラが回った瞬間に優しげな瞳から温度が消え去るその豹変ぶりは、主演の米倉涼子をはじめとするベテラン俳優陣からも高い集中力として絶賛を集めました。