ネット上の掲示板やSNSでは、10万円の車に対して極端な言説が飛び交っています。「10万円の車はすべて事故車で真っ直ぐ走らない」という過度な恐怖論と、「10万円でも日本車なら壊れないから新車を買うのは馬鹿らしい」という楽観論の双方が存在しますが、実態はどちらも正確ではありません。
まず、「激安車=事故現状車・修復歴車」という認識は誤解です。実際のところ、修復歴(フレームの歪みや骨格部位の損傷歴)がある車両は、オークション評価点が低く敬遠されるものの、走行に支障がない軽微なバックパネル交換程度であれば10万円台で流通します。むしろ注意すべきは、冠水車(水没車)や過度な融雪剤による下回りのサビ腐食です。外装がピカピカに見えても、豪雪地帯から流れてきた車両でシャーシに穴が開くほど腐食している個体は、車検取得すら拒否される致命的なハズレ車両です。
また、近年トラブルが急増しているのが10万円中古車個人売買リスクです。フリマアプリやネットオークションで「10万円・手元渡し・車検あり」として出品されている車両は、プロの査定を経ていない完全なブラックボックスです。引渡し直後にAT(オートマチックトランスミッション)が滑って変速しなくなったり、前オーナーの自動車税未納により名義変更が拒否されたり、駐車違反金の放置で車検が受けられないといった法的なトラブルが後を絶ちません。個人売買では瑕疵担保責任(契約不適合責任)が免責されている契約が大半であるため、泣き寝入りになるケースが極めて多いのが現実です。