現在でこそ全国区の知名度を誇るカレーラーメンですが、その歴史は昭和40年(1965年)、創業者である高橋一郎氏の飽くなき探求心から始まりました。当時、国民食として絶大な人気を博していた「カレーライス」と「ラーメン」を融合させ、「誰もが笑顔になる最高の一杯を作りたい」という情熱がすべての出発点です。
創業当時の取材記録や関係者の証言によると、完成までの道のりは困難を極めました。単に既存のラーメンスープに市販のカレールーを溶くだけでは、油分が分離してスープが水っぽくなり、麺に全く絡まなかったのです。高橋氏は試行錯誤の末、豚骨と香味野菜を長時間煮出した濃厚なベーススープに、厳選した約30種類のスパイスをブレンドした特製カレーペーストを直接練り込む独自の製法を確立しました。
発祥の地である苫小牧市は、製紙工場や港湾施設を擁する道内有数の工業都市です。冬の厳しい寒さのなかで過酷な肉体労働に従事する労働者たちにとって、最後まで冷めず、ガツンと塩分とカロリーを補給できる味の大王のカレーラーメンは、瞬く間に熱狂的な支持を獲得していきました。単なる思いつきのキワモノ料理ではなく、過酷な北国の労働環境と創業者の職人魂が生み出した、必然の地域ソウルフードだったのです。