米領バージン諸島に位置する私有島「リトル・セント・ジェームズ島」――通称エプスタイン島。周囲から完全に隔絶されたこの南の楽園は、少女たちにとって逃げ場のない悪夢の舞台でした。
2021年に行われたマクスウェルの刑事裁判において、証言台に立った複数の被害者女性たち(法廷では「ジェーン」「アニー」「ケイト」などの仮名で証言)は、マクスウェルが果たした決定的な役割を生々しく告発しました。
マクスウェルの役割は単なる共犯者にとどまらず、少女たちを安心させて罠に誘い込む「グルーミング(手なずけ)」の主導者でした。彼女は裕福な家庭出身ではない、経済的・家庭環境的に脆弱な少女たちに近づき、「学費を支援する」「モデルや映画の仕事を紹介する」「一流の教育を受けさせる」と甘い言葉を囁きました。洗練された英国上流階級の物腰と女性ならではの親しみやすさを利用して警戒心を解き、エプスタインによる性的虐待を「富裕層の世界では当たり前の儀式」であるかのように正常化させたのです。
被害者の一人であるバージニア・ジュフリーは手記や証言において、「ギレーヌはエプスタイン以上に危険だった。彼女は女性でありながら、私たちを獲物として品定めし、逃げられないように精神的に包囲した」と述懐しています。女性の存在が被害者の心理的防壁を無効化するという、最も残酷な搾取のメカニズムが法廷で白日の下に晒されました。