肉じゃがの取り分けで最も重要となるのが、味付け前の取り出しタイミングです。具材を炒めて出汁(昆布出汁またはかつお出汁)を注ぎ、中火から弱火でコトコト煮込んで「野菜と肉に竹串がスッと通る状態」になった瞬間が、子ども用を取り出す絶対的なベストタイミングです。
この時点で子ども用の具材と出汁を別鍋(または耐熱容器)に引き上げることで、大人用の濃い醤油や砂糖、みりんが子ども用の具材に浸透するのを完全に遮断できます。取り出した子ども用には、微量の醤油(数滴程度)を加えてひと煮立ちさせるだけで、1歳の味覚に最適な肉じゃがが完成します。
取り分け調理で頻発する悩みが「子どもの固さに合わせるとじゃがいもが煮崩れてスープ状になってしまう」という現象です。これを防ぐための決定的なポイントは以下の3点です。
第1に、じゃがいもの角を面取りすることです。角を丸く削るだけで、煮汁の中で具材同士がぶつかり合って崩れるのを防げます。第2に、煮込み始めは落としぶたをして弱火をキープすることです。強火で煮立てると対流で煮崩れが急激に進みます。第3に、圧力鍋を活用した時短調理を行う場合は、加圧時間を「大人用の半分(ピンが上がってから1〜2分程度)」に抑え、自然減圧で余熱を通すことで、形を保ったまま芯まで均一に柔らかく仕上げられます。