勝者に授与されるFIFAワールドカップ優勝トロフィーは、スポーツ界で最も象徴的かつ高価な工芸品の一つです。現在のトロフィーは1974年西ドイツ大会から導入された2代目(イタリアの彫刻家シルビオ・ガザニガによるデザイン)で、18金ゴールド約6.175kgが使用され、台座には孔雀石(マラカイト)が配されています。本体価格の推定価値は数百億円とも言われますが、実物トロフィーはFIFAによって厳重に保管され、優勝国には金メッキのレプリカ(プロトタイプ)が永久保持用として贈られます。
この象徴的な栄誉とともに、大会ごとに跳ね上がってきたのがワールドカップ優勝賞金です。FIFAの公式発表および財務レポートによると、賞金総額は放映権料やスポンサー収入の膨張とともに天文学的な数字へと拡大してきました。1982年スペイン大会の優勝賞金は約220万ドルでしたが、2022年カタール大会では4,200万ドル(当時のレートで約58億円)へと達し、2026年大会ではさらなる増額が見込まれています。
FIFAの財務資料を分析すると、賞金総額の引き上げは各国のサッカー協会(FA)に対する強化資金還流の役割を果たしており、優勝国のみならずグループステージ敗退国であっても準備金を含めて約1,000万ドル前後が支給される仕組みが定着しています。これにより、ワールドカップは単なる名誉の争奪戦にとどまらず、各国のフットボールインフラを左右する国家規模の経済イベントへと変貌を遂げました。