手の指の長さにおいて、人差し指と薬指の長さの違いが生じる根本的な理由は、母親の胎内にいる受胎初期(妊娠妊娠妊娠初期から中期)の内分泌環境にある。発生生物学の研究によると、手の指の形成に関わる「Hox遺伝子」は、生殖腺の分化やホルモン受容体の形成と共通の遺伝的基盤を持っている。
胎児期において、精巣や副腎から分泌されるテストステロン(男性ホルモン)の濃度が高い環境下で育つと薬指(第4指)が長く発達し、エストロゲン(女性ホルモン)の受容が優位になると人差し指(第2指)が伸びやすいというメカニズムが突き止められている。この人差し指の長さ(2D)を薬指の長さ(4D)で割った数値を学術的に「2D:4D比(指比率)」と呼ぶ。
つまり、人差し指より薬指が長い状態(2D:4D比が1.0未満、一般的には0.95前後など)は、出生前に高濃度の男性ホルモンに曝露された客観的な生体マーカー(バイオマーカー)とみなされている。この指比率は出生後に大きく変化することはなく、生涯にわたって胎内ホルモン環境の痕跡として手元に刻まれ続ける。