銀座の一等地にありながら、昼夜を問わず客足が途絶えなかった人気店が、なぜ閉店を選ばざるを得なかったのでしょうか。関係者への取材や飲食業界の動向から、その背景には複合的な要因が浮かび上がってきます。
最大の要因とみられているのが、商業施設「銀座ファイブ」との定期建物賃貸借契約の満了です。地下鉄銀座駅直結という抜群の立地を持つ銀座ファイブ地下飲食店街は、定期的にフロア全体のターゲット層やコンセプトを見直すリニューアルを実施しています。契約更新のタイミングにおいて、賃料設定や施設側の誘致方針が転換期を迎えていたことは想像に難くありません。
もうひとつの決定打が、飲食業界全体を直撃したエネルギーコスト・原材料価格の急騰と人件費の上昇です。低価格を最大の武器とするセルフうどんチェーンにとって、銀座という超一等地でのテナント料と人件費を維持しながら「1杯数百円」の低単価メニューを提供し続けるビジネスモデルは、利益率の観点から極めてシビアな局面に直面していました。同社が採算性の高い路面店やロードサイド店へ経営資源を集中させる戦略へ舵を切ったことも、閉店を後押しした要因のひとつといえます。