本事件が明るみに出たことで、銀行窓口やSNSには貸金庫契約者からの怒りと不安の声が殺到しました。メガバンクに資産を預ける富裕層や高齢者層にとって、貸金庫は「自宅の耐火金庫よりも100倍安全な避難所」として信仰されていたからです。
大手ネット掲示板やSNS上に寄せられた契約者たちの投稿には、裏切られた当事者の生々しい困惑が刻まれています。
- 「親から受け継いだインゴットと権利証を預けているが、銀行員が合鍵を作れる状態だったなんて夢にも思わなかった。すぐに支店へ行って中身を確認したが、手が震えた」(60代・会社経営者)
- 「銀行側は『プライバシーを守るため中身は確認しない』と言っていたのに、それは裏を返せば『行員が盗んでも誰も気づかない』という意味だったのか」(70代・無職)
- 「補償してくれるとは言うが、金銭に換えられない祖母の形見のジュエリーが消えた場合、どうやって責任を取るのか。信用はお金では買えない」(50代・主婦)
現場の行員からも、内部体制の崩壊を嘆く声が漏れ聞こえます。都内メガバンクに勤務する現役行員は、覆面取材に対して次のように打ち明けました。
「本部のマニュアル上は相互チェックが義務付けられていますが、人員削減と業務効率化が進むなか、ベテランの管理職が『貸金庫の定期点検に行く』と言えば、若手や同僚が後ろについて監視することなど現実的には困難でした。『信用しているから』という空気が、結果として最大のセキュリティホールを生んでいたのです」