ウークイの儀式の中で、本土出身者が最も強い衝撃を受けるのが「ウチカビ(打ち紙)」を燃やす光景です。表面に硬貨の文様が型押しされた黄色い藁半紙のような紙で、これは「あの世(後世・グソー)で通用するお金」とされています。
ウークイの終盤、金属製のボウル(ウチカビボウル)や水甕が仏壇の前に用意され、家族の手によってウチカビが次々と火にくべられます。煙を上げて灰になっていくプロセスこそが、現世からあの世への「送金手続き」を意味しているのです。単に燃やすだけでなく、ウチカビ燃やす作法と意味には厳格な手順があります。最後にお酒やお茶をその灰の入った器に回し入れ、先祖が道中でお金に困らないよう、また喉を潤せるように祈りを捧げます。
民俗学や家族社会学の観点から分析すると、この儀式は単なる呪術的な風習にとどまりません。ウチカビを燃やす際、家族は「今年もこれだけのお金を送るから、あの世で豊かに暮らしてください。そして私たち子孫を見守ってください」という言霊を唱えます。これは、祖先と子孫の間に結ばれた互恵的な契約の再確認であり、一族のアイデンティティと精神的絆を強固に再生産する重要な心理的装置として機能しているのです。