しーじゃっく三刀屋店が閉店に至った背景には、単なる個別店舗の売上問題にとどまらない、運営会社全体の経営危機と回転寿司業界の構造転換が存在します。
同店をチェーン展開していたのは、岡山県岡山市に本社を置く株式会社マリンポリスです。マリンポリスは1980年代から「しーじゃっく」「海都」「すし日和」などのブランドで中国・四国地方を中心に急成長を遂げ、ピーク時には直営・FC合わせて130店舗以上を展開する西日本有数の寿司チェーンでした。低価格かつ新鮮なネタを提供するロードサイド店として盤石の地位を築いていたのです。
しかし、2000年代後半以降、スシロー、くら寿司、はま寿司といった「全国展開型メガチェーン」が地方バイパス沿いへ急速に出店を加速。タッチパネル注文、高速レーン、サイドメニューの拡充といった巨額のIT投資・設備投資競争が勃発しました。スケールメリットを活かした価格破壊に対し、地方中堅チェーンは防戦を強いられることになります。
結果としてマリンポリスは2013年、負債総額約46億円を抱えて民事再生法の適用を申請しました。経営破綻後は投資ファンドやスポンサー企業の支援を受けながら再建を進めましたが、不採算店舗の徹底的な整理・閉鎖が断行されました。島根県内や鳥取県内の山陰エリアは、物流効率や商圏人口の観点から真っ先に統廃合の対象となり、三刀屋店もこの大ナタを振るわれた店舗の一つとして幕を下ろす結果となったのです。