1982年9月1日にリリースされた『けんかをやめて』は、当時すでにシンガーソングライターとして確固たる地位を築き、休養期間に入っていた竹内まりやさんが作詞・作曲を手掛けた珠玉のナンバーです。
当時、アイドルポップスの枠にとどまらない本格的なボーカルスキルを見せていた河合奈保子さんに対し、制作陣は「大人のシンガーへと脱皮するための決定打」を求めていました。そこで白羽の矢が立ったのが竹内まりやさんでした。
竹内まりやさんは、河合奈保子さんの持つどこまでも透き通った声質と、憂いを帯びた表情の魅力を丹念に分析。「清楚な彼女があえてこの切実なシチュエーションを歌うからこそ、リスナーの胸を打つ」という確信のもと、繊細なピアノの旋律とともにこの楽曲を紡ぎ出しました。アイドルの枠組みを軽やかに超えたアーティスト同士の幸福な出会いが、歴史に残る名曲を生み出す原動力となったのです。