せっかく作った浅漬けが、時間が経つにつれてどす黒く変色してしまう現象。この最大の原因は、なすに含まれるポリフェノール化合物「ナスニン」が空気に触れて酸化することにあります。切り口からアク(酵素)が活性化し、酸素と結びつくことで褐色に変わってしまうのです。
伝統的な漬物作りでは変色防止に「焼きミョウバン」が多用されますが、常備していない家庭も多いはずです。現代の家庭調理において、ミョウバンなしで鮮やかな紫色をキープする色止めのポイントは以下の3点に集約されます。
第一に、切ったらすぐに塩分濃度2%の塩水に潜らせるか、直接塩を振って素早く揉み込むこと。塩分が酵素の働きを鈍らせ、水分とともに余分なアクを排出します。第二に、調味液に少量の酢やレモン汁(またはからし)を加えることです。ナスニンは酸性に傾くことで鮮やかな赤紫色へと発色し、酸化を防ぐ性質を持っています。そして第三に、調理過程で極力「空気に触れさせない」環境を整えることです。