蜂蜜自体は強力な抗菌力を持っていますが、生の金柑から染み出た果汁によって瓶内の水分比率が上がると、表層付近でカビが生えるリスクが生じます。1年を通じて美味しく保つための保存管理には、科学的なポイントがあります。
第一の防御策は、容器の徹底的な煮沸消毒またはアルコール除菌です。保存瓶とフタを鍋の水から入れて沸騰させ、5分以上煮沸した後に清潔な布巾の上で完全に自然乾燥させます。熱湯が使えないパッキン等は食品用高濃度アルコール(パストリーゼ等)で隙間なく拭き上げてください。
第二に、「果実の頭を蜂蜜から露出させない」ことです。カビ(好気性菌)は空気と水分がある場所で繁殖します。漬け込み初期の1〜2週間は、果実が浮き上がって空気に触れやすいため、毎日瓶を上下に揺らして蜂蜜で表面をコーティングし続ける必要があります。
エキスが十分に抽出された約1週間後以降は、冷蔵庫(野菜室ではなく4〜6℃の通常冷蔵室)へ移動させます。低温環境に置くことで、雑菌の繁殖と後述する酵母菌の発酵をシャットアウトできます。取り出す際は、必ず「乾燥した清潔なスプーン」を使用し、唾液や水滴の混入を避ければ、約半年から最長1年間にわたり風味を損なわずに楽しむことができます。