沖縄県内における大学の「出口戦略(就職)」には、長年にわたって形成されてきた社会的な構造が存在します。地元企業の人事担当者や教育関係者への取材から見えてくるのは、両校の卒業生が活躍するフィールドの住み分けです。
琉球大学の就職実績は、名実ともに沖縄県のトップクラスを維持しています。沖縄県庁、那覇市役所をはじめとする上級地方公務員、国家公務員一般職、沖縄電力、琉球銀行、沖縄銀行、サンエーといった県内の最有力企業・インフラ企業において、採用実績の上位を占め続けています。地元の大手金融機関に勤務する採用担当者は、次のように語ります。
「総合職の幹部候補採用において、琉球大学の学生は地頭の良さと基礎教養の広さで信頼が厚い。共通テストを突破してきた学習習慣の継続力は、入社後の資格取得や業務適応力にも如実に表れます」(地元銀行人事関係者)
沖縄大学の評判と就職先は、より地域密着・実務重視の性格を帯びています。公務員分野では、市町村役場の一般事務職、沖縄県警の警察官、各地域の消防士において毎年安定した合格者を輩出しています。民間企業では、地元ディーラー、中堅卸売・小売業、観光・ホテル業界、保育所、社会福祉協議会などが主な進路です。沖縄大学のキャリア支援課による個別指導の手厚さは卒業生からも定評があり、学生と教職スタッフの距離の近さが内定率を支えています。
ネット上の掲示板等では「沖大は就職に不利」といった極端な言説も見受けられますが、これは実態を正確に捉えていません。上場企業や超難関公務員の総合職では琉球大学が圧倒的有利である一方、地域社会の現場を支える職種や専門資格職(保育士・管理栄養士・社会福祉士)においては、沖縄大学の卒業生が堅実な就職実績を積み上げています。