「飛行機事故の確率と宝くじの当選確率はどっちが高いのか」という疑問に対し、端的に数字から結論を導き出しましょう。結論を言えば、統計モデルや路線の前提条件によってわずかな前後はあるものの、両者の発生確率は驚くほど近似した「ほぼ同じ天文学的オーダー」に位置しています。
日本の宝くじの最高峰である年末ジャンボ宝くじ1等当選確率は、公式ルール上「1ユニット(2,000万枚)に1本」と定められており、正確に2,000万分の1(0.000005%)です。1枚購入して1等(7億円)を引き当てる確率は、まさに砂漠の中で特定の1粒の砂金を見つけ出すような神業と言えます。
一方の飛行機事故死亡確率はどうでしょうか。航空安全の世界的権威であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のアーノルド・バーネット教授が行った長期運行調査や、米国家運輸安全委員会(NTSB)の蓄積データによると、先進国の民間航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は、概ね約1,100万分の1から数千万分の1と算出されています。つまり、数値上の厳密な比較を行うならば、一般的な国際便や平均値を用いた場合、わずかに「航空機事故で死亡する確率」のほうが宝くじ1等より高いか、ほぼ同等の水準です。
ただし、ここには決定的な盲点があります。日本の国内線のように、世界最高水準の整備基準と運航管理を誇る空域に限定した場合、過去数十年にわたり旅客の死亡事故ゼロという記録を継続している区間も存在します。そうした安全運航の恩恵を受ける環境下では、飛行機墜落確率何分の一という問いの答えは数千万分の一から億分の一にまで跳ね上がり、「ジャンボ宝くじ1等を当てるほうが、飛行機事故で命を落とすよりはるかに簡単」という逆転現象すら生じます。