美術館の骨格を支えるコレクションの質の高さは、美術専門家の間でも折り紙付きです。近代日本画壇の巨星である横山大観や竹内栖鳳をはじめ、富岡鉄斎、菱田春草といった歴史に名を刻む大家の秀作が惜しみなく収蔵されています。線の太さ、墨の濃淡、かすれの妙によって無限の色彩と感情を表現する水墨の魔術に、思わず足が止まります。
特筆すべきは、国内随一の充実度を誇る下村観山コレクションです。観山が手がけた繊細緻密な描線と、気品あふれる画面構成の傑作群は圧巻のひと言。常設展示室では定期的に展示替えが行われており、訪れるたびに新たな巨匠の筆跡に出会える設計となっています。
作品を照らす照明設計にも徹底したこだわりが光ります。墨の粒子感や和紙の風合いがもっとも美しく際立つよう配慮された柔らかな光の中で対峙すると、百数十年前の画家たちの息づかいまで肌で感じられるような臨場感に包まれます。