20代から60代の日本人女性各100名の顔貌データを分析した研究(All About「年代別平均顔」調査等)や美容皮膚科の臨床報告を照らし合わせると、50代女性の顔の特徴には極めて明確な形態学的共通点が存在します。平均的な50歳の顔は、決して「目立つ深いシワだらけの顔」ではありません。むしろ、顔全体の重心が下垂し、メリハリが失われて平坦化していくプロセスこそが本質です。
しのぶ皮膚科をはじめとする臨床現場の報告によれば、50歳前後のカウンセリングで最も多いのは「特定のシワというより、顔全体が間延びして疲れて見える」という声です。20代の頃には頬の最も高い位置(トップ)にあった脂肪組織(メーラーファット)が重力と皮膚弾力の低下によって下方へ雪崩れ込み、ほうれい線の上部に重くのしかかります。その結果、頬の上部は削げ落ちて影(ゴルゴライン)が生まれ、下顔面にはもたつきが生じるという二重の構造変化が起きています。
さらに、目元においても上まぶたの皮膚が弛緩して黒目の露出面積が狭まり、目尻が下がると同時に、下まぶたの眼窩脂肪が前方に突出して目袋(たるみとクマ)を形成します。つまり、平均的な50歳の顔とは、パーツの輪郭線が曖昧になり、下向きの斜線と影が顔全体に散らばった状態を指します。