突然の腹痛や違和感に直面した際、パニックにならず冷静な行動をとるためのトリアージ基準を提示します。受診の要否は痛みの強さだけでなく、随伴症状の組み合わせで決まります。
今すぐ救急車を呼ぶ・時間外救急を受診すべき危険なサイン
- 突然の激烈な痛み:バットで殴られたような衝撃、あるいは人生で経験したことのないレベルの激痛。
- 腹壁の硬直(筋性防御):お腹全体が板のように硬くなり、軽く触れるだけで飛び上がるほど痛む(腹膜炎の兆候)。
- 血行動態の破綻:冷や汗、めまい、意識が遠のく感覚、血圧低下(内臓破裂、大動脈解離、子宮外妊娠破裂などの危険)。
- ショック徴候を伴う吐血・下血:コーヒー残渣様の嘔吐や、ワインレッド〜黒色のタール便を伴う痛み。
翌日以降、平日の日中に医療機関を受診すべき状態
- 痛みの程度は軽度〜中等度だが、数日間にわたって徐々に増悪している。
- 食後に決まって胃やみぞおち、右脇腹に鈍い痛みが繰り返し現れる。
- 微熱が続いており、排尿時の違和感や残尿感を伴う背部・腰部の鈍痛がある。
- 便秘と下痢を繰り返し、排便によって一時的に腹痛が軽減する。
日本消化器病学会の診療指針でも示されている通り、痛みの自己診断ほど不確かなものはありません。特に持続する腹部膨満感や食欲不振、原因不明の体重減少が併発している場合は、自己判断で胃腸薬に頼り切るのではなく、速やかに消化器内視鏡や腹部超音波(エコー)、CT検査が可能な医療機関への受診を選択してください。