ドラッグストアやECサイトでは、市販ヘアカラー人気おすすめランキングと銘打たれた特集が頻繁に組まれており、手軽にセルフでライトブラウンへ染められる製品が溢れています。泡タイプや乳液タイプなど、誰でも簡単に塗布できる利便性は確かに魅力的ですが、ここには見過ごされがちな決定的な盲点が存在します。
第一の落とし穴は、「アルカリ剤と過酸化水素の配合濃度」です。市販薬は、太くて染まりにくい髪質から細くて染まりやすい髪質まで、誰が使っても一定の発色を得られるよう、薬剤のパワー(アルカリ度)がサロン専売品に比べて極めて高く設定されています。その結果、塗布直後は綺麗に染まったように見えても、毛髪内部のコルテックスが破壊され、2週間後には極度の乾燥とオレンジ色のギラつきが露呈することになります。
第二の落とし穴は、「既染部と新生部の塗り分けが不可能」である点です。過去にカラー履歴がある毛先と、新しく伸びてきた根元では、本来異なる強さの薬剤を使わなければなりません。これを同一の市販剤で一気に染めてしまうと、体温の高い根元だけが異常に明るくなる「逆プリン現象」や、毛先の中抜けといった修復困難な色ムラを引き起こします。ネット上の「市販でもサロン並みに染まる」という口コミを鵜呑みにせず、髪の履歴が複雑な人ほどプロの調合に委ねるのが鉄則です。