一番画数の多い漢字は84画のたいと?世界一複雑な文字と実在の真相

一番画数の多い漢字は84画のたいと?世界一複雑な文字と実在の真相

一番画数の多い漢字は84画のたいと?世界一複雑な文字と実在の真相に関する基本知識を徹底的にまとめました。今すぐチェックことができます。

実用性という枠組みを大きく飛び越え、食文化や宗教観から生まれた怪物級の漢字も存在します。その筆頭が、中国・陝西省の郷土料理を表す「ビャンビャン麺」の漢字(56〜58画)です。

この文字は、穴冠(あなかんむり)の下に「言」「糸」「心」「長」「馬」など無数の部首が幾重にも折り重なっています。現地の言い伝えによると、清の時代に貧しい書生が麺の代金を払えず、店の看板文字として即興で考案したという伝承や、麺を打つ際に調理台へ生地が叩きつけられる「ビャンビャン」という擬音を文字化したという説があります。

中国現地には、この文字の筆順を暗記するための「口訣(こうけつ)」と呼ばれる覚え歌が存在します。「一点飛上天、黄河両道弯、八字大張口、言字往裏走……(一点天に飛び、黄河二筋曲がり、八の字大きく口を開け、言の字中へと入る)」という調子の良いリズムに乗せて筆を進める構造になっており、文字そのものがひとつの文化的アトラクションとして定着しています。2020年には国際規格「Unicode 13.0」にも正式採録され、デジタル画面での表示も可能になりました。

一方、日本国内にはさらに画数を極めた驚異の創作漢字が存在します。それが、除夜の鐘の数と同じ「108画」を持つ煩悩漢字です。

この文字は、人間の欲望や執着を表す様々な部首や文字を一つの枠の中に極限まで詰め込んだもので、年末年始のイベントや寺院の記念行事などで披露されてきました。当然ながら古代の字典や漢籍に記載されているわけではありませんが、仏教における「108の煩悩を文字として可視化し、一筆で書き落とすことで浄化する」という宗教的実践や、日本特有の文字遊び(戯書・合字)の文脈から生まれたユニークな文化的産物といえます。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。