日本最大級の医師相談プラットフォーム「アスクドクターズ」に蓄積された1000万件超のQAデータの中でも、「膵臓癌 末期 急変」に関する相談は切迫した内容が際立っています。「昨日までLINEの返信をくれていた父が、今朝から呼びかけに反応しない」「病院から余命1ヶ月と言われていたのに、退院して3日目で急変した。なぜこんなに早いのか」といった相談が頻繁に寄せられています。
2000人以上の看取りを行ってきた緩和ケア専門医・大津秀一医師(早期緩和ケア大津秀一クリニック院長)は、メディアの取材や著書、オンライン診療の現場を通じて次のように警鐘を鳴らしています。
「膵臓がんは他のどの癌よりも、坂道を転がり落ちるような急速な変化を起こします。『まだ数週間ある』という予測は、膵臓癌の終末期においては数日で覆るのが日常茶飯事です。穏やかな終末期を迎えるためには、病状が切迫してからではなく、動ける段階から緩和ケアを取り入れ、急変時の対応をご家族全員でシミュレーションしておくことが不可欠です。」
インターネット上の遺族手記や終末期コミュニティでも、「前夜に『明日はプリンが食べたい』と笑顔で話していたのに、翌朝には下顎呼吸が始まっていた」という証言が多数存在します。このように「昨日と今日で世界が一変する」ことこそが膵臓癌の現実であり、事前の知識を持たない家族はパニックに陥り、臨死期に無用な救急搬送を選択してしまうという悲劇が繰り返されているのです。