法面とは?読み方や盛土切土の違い・勾配計算と工事の種類を徹底解剖について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。
削り出されたばかりの切土や、盛り固められた盛土の表面は、降雨や紫外線、凍結融解によって瞬く間に風化が進みます。これを食い止め、地滑りや崩壊を防止するために施されるのが「法面保護工法」です。
法面保護工法は、大きく「緑化工(構造物を使わずに植物の根で土を緊縛する手法)」と「構造物工(コンクリートやアンカーなどの人工物で抑え込む手法)」の2つに大別されます。地山の土質、湧水の有無、勾配の急緩、周囲の景観要件によって最適な工法が選定されます。
現場で採用される代表的な工法とそれぞれの特徴、数値データを下表にまとめました。
工法分類・工法名詳細・数値データ一般的な基準・適応勾配編集部の見解・評価植生工(客土吹付・種子散布)種子・肥料・保水材を混合し、厚さ1〜3cm程度を機械圧送吹付勾配1:1.0より緩い土砂斜面(土壌硬度23mm以下が目安)コストが最も安く景観性も高いが、土壌や日照条件に左右され、定着までの豪雨に脆弱。モルタル・コンクリート吹付工金網(ラス網)張りの上からモルタル(厚8〜10cm)またはコンクリート(厚10〜20cm)を吹付風化しやすい岩盤、自立性のある急勾配斜面(1:0.8〜1:1.2程度)雨水の浸透と風化を即座に遮断する定番工法。背面の水圧抜きパイプの適切な配置が必須。吹付枠工(現場打ち格子枠)鉄筋を組んだ型枠にモルタルを吹き付け、200〜400mm角の格子状フレームを形成崩壊の危険がある急勾配土砂・岩盤(1:0.8〜1:1.5程度)枠内を植生工にして緑化と構造的安定を両立可能。アンカー工と併用して大規模崩壊に対応。グラウンドアンカー工斜面深部(10〜30m超)の不動地盤まで高強度鋼より線を削孔挿入し、緊張力で固定地滑り地形、大規模な崩壊土圧が想定される重要幹線沿道斜面全体を深部から締め付ける最強の抑止工。施工費は高額だが致命的な地すべりを確実に抑止。鉄筋挿入工(ロックボルト工)長さ2〜5m程度の異形鉄筋を斜面に高密度で打設し、セメントミルクを注入表層崩壊の恐れがある切土・自然斜面(1:0.5〜1:1.2程度)地山のせん断強度を直接補強する。アンカー工より浅い表層すべり対策として費用対効果が高い。
近年では環境配慮の観点から、従来はコンクリート一色で覆っていた斜面に対して、格子枠の内部に植生基材を厚く吹き付けて樹林化を促す「環境配慮型吹付枠工」が公共事業の標準仕様になりつつあります。