シティバンク・エヌ・エイ現在の実態|撤退理由とSmbc移管の真相

シティバンク・エヌ・エイ現在の実態|撤退理由とSmbc移管の真相

シティバンク・エヌ・エイ現在の実態|撤退理由とSmbc移管の真相の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

なぜシティバンクは、日本で一世を風靡した個人向け事業を手放す決断を下したのでしょうか。経済記者の取材ノートと当時の金融当局の記録を紐解くと、複合的な要因が浮かび上がってきます。最大のシティバンク個人事業撤退の理由は、金融庁による過去の厳罰処分と、米国本社が断行した世界規模の事業ポートフォリオ再編にありました。

シティバンクの日本におけるリテール展開は、日本の銀行が窓口を15時に閉めていた時代にいち早くATMの24時間稼働を実現し、マルチマネー口座で外貨預金のハードルを劇的に下げるなど、常にイノベーターとして市場を牽引しました。しかしその裏で、コンプライアンス(法令順守)の欠如が深刻な影を落としていました。2004年には富裕層向けプライベートバンキング部門において、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の不備や顧客財産の不正流用など多数の法令違反が発覚し、金融庁から認可取消・業務停止という前代未聞の行政処分を受けました。さらに2011年にもシステム管理やマネロン防止体制の不備で再び業務停止処分を受ける事態となったのです。

これら度重なる不祥事に伴う監督当局への対応コストやシステム改修費用の増大に加え、日本銀行による異次元の金融緩和と超低金利政策が追い討ちをかけました。預貸金利ざやが消滅し、ネット銀行の台頭によって外貨為替手数料の引き下げ競争が激化するなか、米国本社はリーマン・ショック以降、グローバル全域で「資本利益率(ROIC)の低い個人向け市場からの撤退」という大号令を発令。こうして2014年冬、日本における個人事業の売却方針が電撃的に公表されるに至りました。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。