医療や看護の現場で行われる腹部聴診の手順には、正確な診断を下すための厳格なルールが存在します。
【聴診の基本手順】
腹部のアセスメントでは、触診や打診を先に行うと腸を刺激して本来の蠕動音を変えてしまうため、「視診 → 聴診 → 打診 → 触診」の順序を徹底します。患者には仰臥位(あお向け)で膝を軽く曲げてもらい、腹壁の緊張を緩めた状態で聴診器の膜面を軽くあてます。
【聴診部位とポイント】
お腹をおへそを中心に「右上腹部」「左上腹部」「右下腹部」「左下腹部」の4分画に分けて聴診します。特に回盲部(小腸から大腸への移行部)にあたる右下腹部は、最も蠕動音が聴取しやすい代表的な聴診部位です。
音が確認しにくい場合は、1か所あたり最低でも1分間、全体で数分間かけてじっくり耳を澄ませ、音の回数・高低・強弱を総合的に評価します。