無事に茹で上がり、冷え固まったあくまきを美味しくいただくための作法と保存技術を整理します。
あくまきは粘着性が極めて強いため、包丁の刃に張り付いて綺麗に切ることが困難です。本場では、あくまきを包んでいた竹の皮を細く裂いた紐(または家庭の木綿糸やテグス)を本体の下にくぐらせ、両端を交差させてキュッと引き絞ることで、断面を潰すことなく一口大に切り分けます。
独特のほろ苦さとアルカリ香を持つあくまきには、あくまき食べ方ときな粉黒蜜の絶妙なバランスが最大の引き立て役となります。
・王道の黄金比:深煎りきな粉2に対し、上白糖または三温糖1、塩少々を混ぜ合わせた粉をたっぷりまぶし、仕上げに濃厚な黒蜜をひと回し。
・鹿児島の伝統流:砂糖醤油(甘口の九州醤油に砂糖をたっぷり溶かしたもの)につけて食べる塩気と甘みのハーモニー。
・現代的なアレンジ:バニラアイスクリームへのトッピング、あるいは薄切りにして軽くトースターで炙り、チーズと蜂蜜を合わせる洋風ペアリングも驚くほどの相性を誇ります。
長期間の保存性もあくまきの大きな魅力です。あくまき保存方法と賞味期限は環境によって明確に分かれます。
アルカリによる静菌作用があるため、竹の皮に包まれたままの常温(直射日光を避けた20℃以下の冷暗所)であれば約1週間から10日間は品質を保持します。ただし、冷蔵庫に入れるとデンプンの老化(β化)が急速に進み、白く濁ってパサパサに硬化してしまいます。どうしても冷やしたい場合は食べる直前の30分以内にとどめるのが鉄則です。
長期保存を行う場合は「冷凍」が最適解です。食べやすい厚さに糸で切り分け、1切れずつラップで空気が入らないよう密閉して冷凍庫へ入れます。冷凍保存での賞味期限は約1ヶ月間。解凍する際は自然解凍ではなく、凍ったまま電子レンジ(500Wで20〜30秒)で軽く温め直すことで、出来立てのプルプルした弾力が見事に蘇ります。