ネット上の一部では「窪塚洋介は常に高価なレア物やハイブランドばかりを身につけている」という誤解が散見される。だが、実際の彼のスタイリングを克明に追跡すると、その認識が的外れであることがわかる。
彼の私服の核にあるのは、価格の多寡ではなく「文脈(コンテクスト)への敬意」だ。盟友が立ち上げた小さなインディーズレーベルのTシャツ、旅先で見つけたノーブランドの民族調ストール、何年も履き潰したVansやNikeのスニーカー、そして自身がプロデュースするサステナブルや腸活に関連したプロダクトまで、自らの信念と接続するアイテムを分け隔てなくミックスしている。
多くの人々が陥りがちな罠は、服を「自分の階層やセンスを誇示するための記号」として身につけてしまう点にある。しかし窪塚洋介のアプローチは真逆だ。まず「確固たる自己の内面や生き方」が存在し、それを表現するための手段として服が存在している。この主客の明確な逆転こそが、どんな奇抜な装いであっても「あざとさ」を感じさせない最大の理由である。