センチネルリンパ節とは?生検が必要な理由と転移・後遺症の最新真相

センチネルリンパ節とは?生検が必要な理由と転移・後遺症の最新真相

センチネルリンパ節とは?生検が必要な理由と転移・後遺症の最新真相について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

センチネル(Sentinel)とは、英語で「見張り」「歩哨」を意味する軍事用語に由来します。がん医療における見張りリンパ節の役割とは、原発巣(がんが発生した最初の場所)からリンパ管に入り込んだがん細胞が、血流や全身へと散らばる前に「一番最初にたどり着くリンパ節」を指します。

がん細胞が周囲へ広がっていく経路には、主に血液の流れに乗る「血行性転移」と、リンパ液の流れに乗る「リンパ行性転移」があります。特に乳がんセンチネルリンパ節の研究と臨床応用は世界的に最も進んでおり、乳房内に生じたがん細胞は、まず脇の下(腋窩:えきか)へと向かう特定のリンパ管を通って最初のリンパ節へと流れ込みます。

この解剖学的な特徴から、極めて論理的な診断仮説が成り立ちます。「最初の砦であるセンチネルリンパ節にがん細胞が転移していなければ、そのさらに先(下流)にある他のリンパ節にも転移は及んでいない」という原則です。実際の大規模な臨床試験においても、この関門にがん細胞が認められない場合、下流のリンパ節に転移が存在しない確率は95%〜98%以上という極めて高い精度で証明されています。すなわち、センチネルリンパ節は病期の正確な把握(ステージング)と、不要な切除を防ぐ防波堤としての二重の役割を担っています。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。