病院やクリニックで使用されるディスポーザブル手袋は、用途と要求される衛生レベルに応じて「滅菌手袋」と「未滅菌手袋(プラスチックグローブ、一般検診用ニトリルグローブなど)」に明確に二分されます。この境界線は、単に個包装されているか否かという外見上の違いにとどまりません。
日本の医薬品医療機器等法(薬機法)において、一般的な未滅菌の検診・治療用手袋はクラスⅠ(一般医療機器)に分類されるケースが多い一方、滅菌処理を施した手術用・処置用手袋はクラスⅡ(管理医療機器)として認証を受ける必要があります。これは、血管や無菌組織に直接接触する侵襲的手技において、手袋が感染媒介となるリスクを極限まで排除するためです。
滅菌手袋はガンマ線照射やエチレンオキサイドガス(EOG)処理によって、無菌性保証水準(SAL)10⁻⁶以下(100万個に1個以下の確率でしか菌が存在しない状態)が担保されています。したがって、中心静脈カテーテル(CVC)挿入、導尿、創傷処置、外科手術といった無菌操作が義務付けられる場面では、未滅菌手袋の流用は固く禁じられています。