スポーツ心理学や運動生理学において、音楽は「合法的なパフォーマンス向上ツール(Ergogenic Aid)」と称されます。イギリスのブルネル大学をはじめとする研究機関の実験では、適切な音楽を聴きながら運動することで主観的運動強度が約10〜15%低下し、持久力が顕著に伸びることが確認されています。
効果をもたらす決定打は、脳内で分泌されるドーパミンとペーシング効果の掛け合わせです。アップテンポで高揚感のあるメロディは中枢神経系を刺激して苦痛のシグナルをマスキングし、規則正しいビートは筋肉の収縮リズムを自動的に安定させます。「キツい」と感じるはずのトレーニングが、音楽のガイドによって自然と流れるような動作へと変わるのです。