社会保障を巡る戦いも熱を帯びている。先般の国民投票で可決された「13ヶ月目の老齢年金(AHV)支給」を巡り、具体的な財源調達方法を決定するための追加投票が実施されたからだ。
物価高騰に苦しむ高齢者層にとって、年に14回目(実質的なボーナス)の年金支給は悲願の勝利だった。しかし、それをいかに持続可能な形で賄うかという現実に直面した途端、社会は再び分断された。選択肢は主に2つ。付加価値税(VAT)の引き上げか、現役世代の給与から天引きされる社会保険料の引き上げか。
「自分たちの将来の首を絞めるような増税には絶対反対だ」と主張する若者グループと、「長年国に貢献してきた高齢者が尊厳ある生活を送る権利だ」と訴えるシニア層。世代間の公平性をめぐる議論は平行線をたどり、直接民主主義が抱える「魅惑的な給付案の後にやってくる冷酷なコスト支払い」のリアルな現場を見せつけている。