キンタロー。といえば、2012年末に「フライングゲット」のキレキレなダンスとともに放った元AKB48・前田敦子のものまねで一躍スターダムに駆け上がった記憶が鮮烈です。しかし、一発屋で終わる芸人が少なくない厳しい芸能界において、彼女が辿った道筋は極めて異例でした。一度定着した強烈なパブリックイメージを自ら破壊し、次々と新たなスタイルを提示し続けてきたからです。
現在巻き起こっている再ブレイク現象の核心にあるのは、「リアリティと悪意のギリギリを突く圧倒的なデフォルメ力」と「CGなしで別人に変異する怪物的フェイスコントロール」です。かつてのアイドルものまねから、アンジェリーナ・ジョリーやレディー・ガガといった世界的セレブ、さらにはトラウデン直美やあのちゃん、北大路欣也、果ては「歩きスマホをする人」「渋谷のハロウィンにいるギャル」といった市井の人物・概念の擬人化にまで守備範囲を拡大させました。
特筆すべきは、彼女が披露するネタの多くが、放送直後からX(旧Twitter)やTikTokなどのSNSで切り抜かれ、ミリオン単位のインプレッションを獲得している点です。視聴者の「そこを誇張するか」「似てないのに脳内で完全に一致する」というツッコミを誘発する独自のクリエイティビティが、デジタルネイティブ世代のタイムラインを日々賑わせています。